オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

 寝室の大きなベッドに柚をそっと寝かせた。本当によく眠っている。倒れるまで我慢させていたと思うとやるせない…

 ワンピースを着ているので、寝苦しいだろうと背中のファスナーを半分くらいまで下ろし布団を被せた。ずっと寝顔を見ていたいが、柚の気持ちも考えて響は寝室を後にした。

 さっとシャワーを浴び軽く食事をとり、リビングで持ち帰った仕事をする。本当なら週末の今日は遅く残っていただろう。だが、仕事を持ち帰っているとはいえ、たまには早く家に帰ってのんびりするのも悪くないと思えた。

 仕事をしながら考えるのは、これから高木をどうするかだ…会社側から、簡単にはクビには出来ない。

 被害があるのは柚だけなのだろうか…

 地方への移動も、こんな中途半端な時期では難しい。もう少し、動向をチェックするしか方法がないのだろうか。

 仕事をしながら考え事をしていた響は、そのままソファにもたれかかり眠ってしまった。