オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

 白樺の並木道を上りきった高台に突如現れた、真っ白の低層ホテル。更には、奥に点在するコテージが見える。

「これは…素晴らしい…」

「わぁ〜うちの両親も喜ぶと思います!」

 車は、エントランス横の駐車場に止まった。

「圭吾ありがとう」「圭ちゃんありがとね」

「ありがとうございます」

「響さんでしたっけ?柚を幸せにしてくださいね」

「ああ。ありがとう」

 そのまま仕事に向かう圭吾を見送った。いよいよ柚の両親との対面が近づいてきた。

「じゃあ、俺フロントに行ってくるから、カフェでお茶しててよ」

「わかった。響さん行きましょう」

 エントランスから中に入り、響は更に驚いた。入った正面は、高い天井に一面窓ガラス。右手にフロントがあり、カフェは正面の雄大な景色の見える窓に沿って、ゆったりと造られている。全体的に白を基調にされ、真っ白のグランドピアノが真ん中で存在感を放っているのだ。