オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

 仕事を終え柚はいつも通り響のマンションに寄った。この日、いつもと違うことは、響が柚のまだいる時間に帰宅した事だ。

「ただいま」

「あっ、おかえりなさい」

「…」柚がいる事はわかっていたが、おかえりなさいと出迎えられた事が思いのほか嬉しく、頬を赤らめる。

「どうかした?」

「いや、柚が出迎えてくれるのが嬉しくて。いつも帰って来れないのが悔しい…」

「…」ストレートな言葉に今度は柚が頬を赤らめる。

 その姿に、響は我慢できず柚を抱きしめた。

「柚、好きだ」

「うん」恥ずかしくて腕の中で頷く。

「いつまでもこうしていたいが、先に問題を片づけないとな」

「ご飯食べながら話しない?」

「ああ。いつもありがとう。柚のお陰で体の調子がいいんだ」

「それは良かった!」

 忙しいし日々は変わらないが、柚の存在と柚が作ってくれる食事で、響の体調はよく疲れも以前よりかなり改善されている。