オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

「いや。まだ確認してないんだが」

「確認するまでもありません。一体どこからこのメールが?」

「あ、ああ。ホームページの問合せフォームに…」

 あまりの響からの怒りのオーラにたじろぐ。

「本人に聞くまでもなく、ありえませんから」

「それは…」

「観月柚は、私の恋人です」

「はあ⁉️」

 原井部長が驚くのも無理はない。社内では鬼部長と言われている響は、私生活は全く知られていない。原井よりかなり年下の響だが、皆から一目置かれるような存在で、原井にとっても例外ではない。もちろん、年齢的には恋人どころか結婚していても不思議はないのだ。

 だが仕事一筋で、恋人の存在すら感じさせた事のない響から出た言葉に驚くなと言う方が無理だろう…

「何か問題でも?」

「いや。我社は社内恋愛禁止でもないし、問題はない。ただ…」

「なんですか?」

「いやぁ〜。びっくりした」

「隠しているわけではありませんが、今のところこちらから発表する事もしないので」

「ああ。誰にも言わないよ」