この景色を、君と何度も見たかった。

【蒼 side】

復讐計画17日目。復讐まであと12日。

もう僕たちの復讐は仕上げに入っていた。
ネットアカウントも作った。

後は、はるが作ってくれたの動画を毎日1本ずつ上げて人を増やしていくだけ。

そうすれば僕たちの計画通り大勢の人に3人がものすごい勢いでさらされる。

これでいい。

とてもいい気分だ。

今日は特に決める事は無いと2人で話し合ったが、何かもう少し話しておかないといけないことがあるのではないかと僕は不安だった。

だけれども答えが見つからなかったので、気のせいだろうと思った。

もう少し経ってから、僕ははるに言いたいことがあったことを忘れていた。

「春。ラスト10日間は動画をあげて様子見で良いよね?」

「うん私はそれでいいと思っている。」

と彼女は言った。

「どこか暇な日はある?」

「明後日なら暇だよ。」

「それなら一緒にどこかに行こう。」

僕が郁磨以外の誰かを遊びに誘うなんて考えられなかった。

けれどはるは別だった。


残り少ない限られた時間をできるだけはると過ごしたいと思った。

僕たちはネットをすごく巻き込んで復讐をしようとしている。

この晒し動画がすべて終わった後、僕もはるもどうなるかがわからない。

僕たちもばれるかもしれないし、バレないかもしれない。

そんな事はどうでもいい。

ただはると離れ離れになるのが嫌だった。

でも最悪の場合を考えてしまう。

だからできるだけはるといたかった。

そして、できるだけ同じ景色を見て同じことを感じたかった。

ただそれだけだ。

「珍しいね。

蒼から何か誘ってくるなんて。

いいよ。

復讐の前にどこか楽しいところに行けたらいいね。」

「行きたいところある?」

「うーん…。」

彼女は黙っていた。

「私、誰もいないような自然がいっぱいあるところに行きたいなぁ。それで夜、いろんな星を見たい。」

「わかった。」

とだけ言った。

明後日、自然がたくさんあるところに行きたいと思う。

「はる、明後日予定空けといてね」

彼女はとても嬉しそうな顔をしながらこっちを見た。そして

「わかった。」

と僕に言った。

とても嬉しそうな顔が見れて嬉しかった。

復讐がすべて終わった後、君のこの嬉しそうな顔がまた見れますように。

僕は強くそう願った。

どんな結果でも君が笑顔でいればいいや。

いつしかそう思うようになった。

はる、君はやっぱり生きるべきだよ。

絶対死なないで

と思った。

目を離した隙に消えてしまいそうだから。

せめて心の中でもそう思っておくよ。