この景色を、君と何度も見たかった。

【蒼 said】

「じゃあな〜、またあした。」

「また明日」

今日もいつも通り郁磨と帰る。

あいつらがいなかったら妹もこうして友達とまた明日って言える毎日が続いていたのかもしれない。

こんなことを考えても意味はないがふとした瞬間に考えてしまう。

「ただいま｣

「おかえり」

こんな普通の会話だしでさえ妹にとっては当たり前ではない。

もう5年間もこんなことばっかり考えながら毎日を過ごしている。

もうそろそろ解放されたいなぁ。と感じるけれど、妹はずっと1人で苦しんでいる。

あいつらに復讐ができればもっと報われるのだろうか。

復讐?

あいつらにとっての1番されて嫌なことってなんだ… ？

答えは見つからなかった。

僕は自分の部屋に入ってからスマホを開けた。

郁磨からLINEが来ていた。

「明日の朝はいつも通りでいいんだよなぁ?」

「うん。」

いつも通り返信をして新しい友達のところを見ると新しい友達のところに 夢野 はる がいた。

僕は

｢よろしく｣

とだけLINEを打った。

すぐに

「よろしくね」

と返ってきた。

今日はこのくらいで終わりかなと思っていたらまた彼女から返信があった。

「何かやりたい事は無い？」

僕は驚いた。

彼女が僕にどんな答えを求めているのかが全くわからなかった。

返す言葉が見つからなくて質問を質問で返した。

「夢野さんは?」

LINEでは相手の顔が見えないけれど多分困っているだろうと思う。

もし自分が質問を質問で回されたらすごく困る。

けれど今回の夢野さんが聞いてきた質問は僕には理解ができなかった。

LINEでは相手のことが全くわからない。

だから僕は一緒に帰ろうと言おうとした。

すると彼女からすぐに返信があって

「明日一緒に帰ろう。」

と言っていた。

僕が言う前に彼女から一緒に帰ろうと言ってきた。

彼女も多分僕と同じ気持ちなのではないかなと思った。

相手の顔が見れないとひどく相手のことを考えすぎて何も聞けなくなる。

SNSは便利だが変に気を使うのですごく体力を使う。

だから僕は苦手だ。

すぐ終わらしたかったので、

「うん。また明日」

と言って今日はLINEを終わらした。

明日は何の話をして帰れば良いのだろうと思いながら今日は寝た。


僕の人生はもうこの時点で終わっていたのかもしれない＿＿＿。