┈目覚め┈

『チリリリ…チリリリ…』
ん〜…うるさい…。朝からけたたましいアラーム音が部屋に響き渡る。けどもう少し…寝てた…い。
『コンコン…おはようございます。お嬢様。いい加減起きてくださいませ。』
ん〜…寝ぼけ眼の私を起こしてくれるのは小さい頃からお世話をしてくれている執事の 城山 悠 だ。なんだかんだわがままも聞いてくれて、お兄ちゃんのように思ってたりもする。
『おはよう…悠…ふぁぁ。』
『おはようございます。怜お嬢様。』
パパは有名な起業家で私はその娘。だから、執事もいたりする。と言っても私の世話を一任してるのは悠だから、それ以外の方たちとあまり関わりはない。だから、一日の半分くらいは悠と過ごしている。
『お嬢様。今日は大事な日です。なのできちんと身なりを整えてくださいませ。』
ん?大事な…日?なんか、あったっけ…?
『今日は学校…じゃないの?』
『お嬢様…はぁ…今日は土曜日ですよ?』
え!?だって、今の時刻は…7:30で…学校行くのと同じくらい早起きしたのに…。
『今日は奥様の誕生日パーティーですよ?』
あ!!!そうだ!お母様の誕生日!
私のパパとママは今海外に行ってる。だから、しばらく会えなかったのだ。でも…誕生日パーティーするってことは、帰ってくる!
『悠っ。今日はとびきり可愛くして欲しいのっ』
『はいはい。分かりました。じゃあ気合いを入れますね。』

約2時間準備に時間を使ったお陰で私の中ではいい方なんじゃ…という身なりになっていた。
ラベンダー色のドレスを身にまとって髪の毛も丁寧に編み込んで貰った。
『怜。可愛いよ。』
耳元でボソッと囁かれる。っ…悠はたまにこーゆーところがあるから困る…。私意外だったら絶対勘違いする人出てくると思う。
『うぅ、ありがとう。悠のおかげだよ』
『いーえ。行こうか。お嬢様』
悠もきっちりとネクタイを締めてスーツを来ている。そう、エスコートしてもらうのだ。悠は執事といえど家柄は有名である。だからこうやってパーティーにも一緒に出席できるのだ。何故、執事になったのかは教えてくれないけれど悠なりの事情があったのだろう。
『怜?何考え込んでるの?』
『…?なんもないよっ?今日は楽しも、悠。』
『そうだね。悪い虫がつかないようにするよ((ボソッ…』
『ん?なんか言った?』
『何でもないよ。』
そんな悠の独り言には気が付かずパーティー会場に向かう車の中で1人心を踊らせてたんだ。
この後何があるかも知らずに━━━━