「加恋、ちょっとは元気出た?」

「ん?」

「最近、学校、しんどいだろ」

「あー……」

肯定も否定もできずにいると、徹はごめん、と言った。

「なかなか守ってやれなくて、ごめんな」

「どうして徹が謝るのよ」

「だって俺がしんどい時はよー、お前いつも力になってくれたじゃん」

けど今回はちょっと強敵だわ、と徹は言う。

「お前の彼氏が否定のコメントも出してくれたら一件落着なんだろうけど。コメントを出さないうえ学校にも来てないから、正直どうしようもできない」

「わかってる」

徹が謝ることでも、どうにかすべきことでもない。

結局は、私と涼くんの問題が周りの人を巻き込んでいるのだから。

「けどな、覚えとけよ。俺ら4人は、絶対お前の味方だから」

「徹…………」

「そして俺はその中でも1番の味方だぜ! 最強の味方! 幼馴染だけにな!」

徹の言葉に目を閉じる。

意志とは反して、目から涙がこぼれ出た。

「徹、ありがと」

「お前、泣いてんのかー?」

おどけた徹の声に、いつものように二カッと明るく笑う徹が目に浮かぶ。

「今から家行ってやろうか?」

「いや、大丈夫」

すぐに否定すると、「せっかく行ってやるって言ったのによ~」と徹は拗ねた。