「もう。純太ってば、あんな小さい子に……」
そんな純太に、私が赤面していると。
「あら、おはよう。2人とも、今日も学校頑張ってね」
毎朝同じ時間に、コーギーのワンちゃんの散歩をしている白髪のおばあさんが、笑顔で声をかけてくれた。
「はい、いってきます」
「ふふ。行ってらっしゃい」
この人たちと会うのも。今満開に花咲く、紅梅の並木を見るのも……あと少し。
純太とこうして、この通学路を歩くのも……あと3週間。
いや、学校が休みの日を除くと、もう3週間もない。
「ねぇ。純太」
「ん? 急に深刻な顔して、どうした? 若葉」
言わなくちゃ。
「えっと。純太、あのね。私……」