たとえ9回生まれ変わっても



それにしても、娘の部屋に男の子を入れるなんて、普通の親は、もう少し気を遣うものではないだろうか。

お父さんも、お母さんも、紫央のことを完全に信用しきっている。

1ヶ月前に突然やってきた得体の知れない男の子が、こんなにも一家に馴染んでいる状況が、そもそも普通ではないのだろうけれど。

たった1ヶ月で、紫央は居候というより、ほんとうにうちの家族になったみたいだ。