ハルカは、必死に昨夜の記憶をたどった。飲んだ帰り、自宅の最寄り駅前のコンビニで買い物した時には、確実にあった。ということは、コンビニから自宅までの道中で、落としたのだろう。
――大変だ!
現金は大して入っていないが、免許証やクレジットカードを悪用されたら一大事だ。ハルカは、あわててカード会社に連絡し、利用停止手続を取った。会社は半休を取ることにして、警察署を訪れる。
幸運なことに、財布はすでに届けられていた。ハルカはほっとした。
「拾ってくれた方には、いくらかお支払いしないといけないんでしたっけ」
うろ覚えの記憶で尋ねると、警官は事務的に答えた。
「報労金ね。私らは間に入らないから、この人と直接交渉してください」
そう言って警官は、その人物の住所氏名を伝えた。君島健人という男性で、ハルカの近所に住んでいるらしい。
――直接か。
相手が男性ということで、ハルカはためらった。だが、やはりお礼はしたい。迷った末、ハルカは君島に感謝の手紙を書いた。連絡先としてメッセージアプリのIDだけを添えて、ハルカはそれを投函したのだった。
――大変だ!
現金は大して入っていないが、免許証やクレジットカードを悪用されたら一大事だ。ハルカは、あわててカード会社に連絡し、利用停止手続を取った。会社は半休を取ることにして、警察署を訪れる。
幸運なことに、財布はすでに届けられていた。ハルカはほっとした。
「拾ってくれた方には、いくらかお支払いしないといけないんでしたっけ」
うろ覚えの記憶で尋ねると、警官は事務的に答えた。
「報労金ね。私らは間に入らないから、この人と直接交渉してください」
そう言って警官は、その人物の住所氏名を伝えた。君島健人という男性で、ハルカの近所に住んでいるらしい。
――直接か。
相手が男性ということで、ハルカはためらった。だが、やはりお礼はしたい。迷った末、ハルカは君島に感謝の手紙を書いた。連絡先としてメッセージアプリのIDだけを添えて、ハルカはそれを投函したのだった。