__謝らなきゃ。 スタジオの裏口から出た瞬間からそれは思っていた。 だけど、話しかけにくい。 話している人なんていないし、スマホをいじっている涼ちゃんに、今話しかけていいのか、タイミングがつかめない。 いたたまれない空気感に、そわそわすることしかできない。 それなのに、あろうことか私は睡魔に襲われる。 電車の揺れが心地よすぎて。 何より、隣から漂ういい匂いに誘われて。 電車の揺れに合わせて、頭がふわふわと傾き始める。 まだ意識はある。