唯くん、大丈夫?

「失礼しまっす!てらちんセンセー!」

勢いよく職員室のドアを開けて愛しの担任てらちんを呼ぶ。


「おぅ、羽根村。どうした?」

「上履き忘れちった〜スリッパ貸してー!」

「またか。最近多くないか?」

「えへへ〜。すまんすまん」

「ったく〜」


ぶつくさ言いながらちゃんと私のサイズを把握してて、私の好きな色のピンクのスリッパ出してくれるてらちん、好っき!


「…羽根村。なんか嫌なことあったら言えよ?」

てらちんが眼鏡の奥で少し心配そうに言う。

そういえばてらちんはおじさんと同い年。

そう思うとおじさんに恋した美琴の気持ちもわからなくないなぁ。


「嫌なことなんてなーんにもないよ!毎日ハッピー!イェーイ!そんじゃ失礼しましたぁー!」


まだ何か言いたげなてらちんを残して職員室の扉を閉める。



うーん…そろそろ持って帰って洗濯して忘れた説は無理があるかな?

別の言い訳を考えないと…いや、上履きもう一個買っとく?一個で足りるかなぁ。


色々考えながら校内をフラフラ歩いてると何人かのお友達と出くわす。



「優花!おはよー!」「ゆかち〜おはー」「おう優花!こないだ世界史のノートありがとうな!」



ありがたいことに今日もお友達がたくさん声をかけてくれる。

ふらふらヘラヘラしてるこんな私とお話ししてくれて嬉しい。みーんな大好きだなぁ!