「…」 『ヴーッ。』 メッセージ受信を知らせる振動音が、ひとりぼっちの暗い部屋に響いた。 私はベッドからおりて、スマホを手に取る。 『夜遅くごめーん!優花ん家に腕時計忘れたかもしれーん』 …みね君からのメッセージ。 目配せすると、ハイテーブルの端に大きめのシルバーの腕時計があった。 スマホの画面には、変なネズミが壁後ろからチラッとこちらを覗くスタンプ。 硬くなっていた心が、少しだけほだされるのがわかる 「…」 私は音声通話のボタンを押した。