気を取り直して、てらちんと向かい合って雑草を抜いていく。



「そーだてらちん、こないだのプリン、唯くんすっごく喜んでたよ!」


「おー、そうか。仲直りできてよかったな。」


てらちんは花壇から目を離さずに言う。


「うん!…あの時はてらちんに恥ずかしいところ見られちゃったねー」


「廊下での話か?別に恥ずかしくないだろ。泣いてなかったし。…教室で泣いてる時はさすがに焦ったが」


「え!?気づいてたの!?」


「そりゃな。ノートびしゃびしゃになってたもんなぁ」


「うわ、うわー!恥ずかし!」


てらちんがあっはっは、と笑って
私は恥ずかしさを誤魔化すためにヒーヒー言いながら雑草を抜きまくる。


てらちんはおもむろに立ち上がり、

軍手を外してあらわになった血管の浮き出る大人な手でノートに何かを書き込み始めた。




…こうして見るとてらちんってスタイルいいなぁ。


顔も悪くないし、ぶっきらぼうだけど優しいし。


山尾先生がてらちんに惹かれるのも、なんかわかるかも。