「良かったぁ。まだっぽいっ!」 愛ちゃんがようやく私の腕を解放してくれて、そう言った。 「ちょっと、愛さぁ~ん。 何なのぉ、これは・・・???」 連れてこられたのは、建物の裏手の薄暗い駐車場。 見ると周りに、ZENファンの女の子たちがゾロゾロいる。 「出待ちょっ!出待ちっ、今日はカナリ出遅れたから・・・もぅ行っちゃったかと思ったけど、 常連さんがいるってことは、まだみたいだょ」 そう言って私に分かるように、小さく前のほうの女の子を指差した。