「じゃぁ、青葉は授業出ていいよ。あとでテスト範囲教えて」

 抱きしめる腕を緩めて、ふにゃっと笑ったら、青葉が両手でおれの頬をぎゅーっと挟むように押してきた。


「由利くんも一緒に教室戻るのっ!」

「えー。めんどい……」

 頬を押しつぶされながら口を尖らせると、青葉が困った顔でちょっと考えている。

 このまま強引に押したら、このまま一緒に寝てくれるかな……。

 おれの頬を挟んでいる青葉の手に手のひらを重ねて、そっと引き剥がす。

 ひとまわりは小さな手を優しく握って、甘えるみたいにちゅっとおでこにキスしたら、青葉の顔がじわじわと赤くなっていった。


「かわい……」

そのまま口にもキスしようとしたら、あと少しで唇同士が触れ合うってとこで青葉が少し身を引いて静止をかけた。