ゆるふわな君の好きなひと


 この前は、由利くんと初めて話したときのことを思い出しそうで避けた窓側のベッド。今日は敢えて、そこを選んだ。

 由利くんのことを考えて、ひとりで泣きたい気分だったから。

 布団を頭までかぶって目を閉じると、ここで初めて話したときに、わたしを不躾に見下ろしてきた由利くんの顔が思い浮かぶ。

 それから、なぜか無理やりベッドに潜り込んできたことや、わたしのスカートをつかんで離してくれなかったことも。

 今思い出したら、あのときの由利くんの行動って、相当変だ。

 ふふっという笑い声とともに、涙が溢れて。

 瞼の裏に、ふにゃっと笑いかけてくる由利くんの姿が蘇る。


 布団の中で隠れて泣きながら、もう一度全部やり直せたらいいのにと思った。

 告白の返事をするところから。

 もっと言ったら、カーテンを引き開けた由利くんが、ベッドで寝ていたわたしに話しかけてきた、あのはじまりのときから。

 そうしたら、今度は由利くんの本気をちゃんと全部信じるのに。