由利くんは「青葉も寝ろ」なんて、あたりまえみたいに添い寝を促してきたけど……。
先に眠ってしまった由利くんの横で、眠れるはずもない。
仕方ないから、わたしが他のベッドに移動しよう。
苦笑いしつつベッドから立ち上がりかけたとき、眠っているはずの由利くんがもぞもぞと動いてわたしのスカートをぎゅーっとつかまえてきた。
「由利くん、起きてるの?」
びっくりして振り向くと、由利くんはわたしのほうにちょっとすり寄るようにして眠っていた。
「さむ……」
寝ぼけているのか、眉間を寄せた由利くんが小さくつぶやく。
わたしが起き上がったせいで、布団がはだけたのかな。
仕方なく、由利くんの肩の上からしっかりと布団をかけ直す。
けれど、由利くんの手はわたしのスカートをつかまえたまま。頑として離そうとしない。
強く引っ張ってみても、指をひとつひとつスカートからはがそうとしてもダメだった。