午前2時の青春。【完】





「キスぅ!?なに、亜芽、ファーストキスまだだったの?」



テレビを見ている視線を私の方へ向けて驚く母に「今さっき済ませた」なんて言えるはずもなく、「キスって気持ちいい?気持ち悪い?」そう問い掛ける。


すると母は「そうねぇ」なんて言いながら顎に手を当てたかと思えばその顔をクシャッと歪めた。





「キスは気持ち悪いものよ」

「えっ」

「好きでもない相手としたらね」

「⋯」

「でも好きな相手とするキスは気持ちいいのよ?」

「⋯そっか」



母の当たり前な言葉が案外深く心に入り込んだのはトモキとのキスがあんなに気持ち悪かったのか、その理由が母の言葉の通りだからだろう。






トモキの事が好きかと聞かれたら「YES」と答えられるし。


なんて言っておいて、本当はトモキの事なんて好きじゃなかったんだ。