私がそう言えば三人は確かに、と言う様に顔を見合わせる。
「これって大問題じゃね?」
「つーか山田キモくねぇ?」
「狩野もあんなのが好みだったんだねぇ、意外」
そして次々と山田と狩野の悪口を喋り出す。
「まあ山田は前からキモかったけどさぁ、まさか狩野に手を出てたとはねぇ」
「これはクラスの男子が泣くでしょ~」
「つーかこの後どうするよ?」
「とりあえず~カラオケ~?」
瞬く間に変わった話題に呆気にとられながらも、さしてこの三人は山田たちの話題に興味がないのだと悟る。
噂は大好き。それが曖昧な情報がふんだんに盛られた噂なら尚更食いつく。
だけどその噂自体に興味があるわけではない。
ただ、噂をしている時間が楽しいだけ。



