私が男に目を奪われている間男も私のことをジッと見ていて⋯でもそれは間違っても私に見惚れているとかそういうんじゃなくて何かを確認するような⋯⋯ 「あ、」 「⋯っ」 「アンタ、不良少女か」 人を痛めて楽しんでいた声とも、人を警戒し威嚇するような声とも違う、きっとこの男の普段の地の声は低くも綺麗な声で。 スッと耳に入ってきた。 って、不良少女⋯? 男は明らかに私を見て言ったものの、私は不良少女なんかじゃない。 自然と寄った眉に男は一歩、私に近付いた。