「可愛いね、このカメ」
そう言って手の中にあるキーホルダーを見て微笑んだ狩野は私の手にキーホルダーを返す。
「もし良かったらチェーン直そうか?」
「え⋯」
「切れちゃってるでしょ?でもそれ金具買えば付け替えられるし。私やり方知ってるから⋯もし良ければ直すよ」
そう言った狩野に頭の中に疑問が浮かぶ。
「なんで⋯」
「え?」
「なんで、そんな事してくれるの?」
私は狩野に対して酷い事をしてきた。
積極的ではないにしろ、サリナ達と共に狩野と山田の噂話をしていた。
なのにどうして⋯。
戸惑いながら狩野を見つめる私に狩野はゆっくりと瞬きをした後、こう言った。
「なんでって、あなたがそのキーホルダーを凄く大切にしていると思ったから、かな。私が渡した時優しい表情してた。安心してた。だから壊れているなら直してあげたいと純粋に思ったの」
「⋯でも、」
私は狩野に───────。
そんな私の気持ちを察してくれたのか狩野はふ、と軽く微笑んだ。



