「亜芽」
「⋯っ、」
「俺、亜芽に感謝してるんだよね」
「⋯え?」
「本当に。感謝してんの」
突然そんな事を言い出す藍に戸惑いながら、視界いっぱいに溢れる涙を何とか堪えて藍の言葉に耳を傾ける。
「亜芽が初めて俺の髪を綺麗だって言ってくれた。その言葉に凄い救われたんだよ」
「⋯、」
「コンプレックスだったけど、世界に一人でもこの髪と目を綺麗だって言ってくれる人がいるならそれでいいやって、亜芽のおかげで思えた」
「⋯私はただ本当にそう思っただけだよ」
藍がそれについてコンプレックスを抱えていたなんて知らなくて、ただ単に本当に綺麗だと思っただけで⋯。
「それでも、俺は亜芽の言葉に───亜芽に救われた」
「⋯っ」
「だから今度は俺が亜芽を助けたい」
「⋯私を⋯?」
「泣いてたら涙を拭うし、苦しい想いを全部ぶつけられたっていい。傍にいることならいくでも出来る。どんな時でも駆けつける」
「⋯、」
「亜芽の為なら何だってしてやりたい」
そう言った藍の横顔は真剣で、迷いや嘘なんて1つも感じさせなかった。



