それからどれくらい走ったんだろう。 ちょこちょこ休憩を取りながら多分3時間くらいはバイクに乗っていた気がする。 ゆっくりとバイクが止まったのは全然知らない街だった。 「藍、ここ⋯」 「たまーにここに来るんだ」 「へぇ⋯」 道路の片隅にバイクを止めた藍は「ちょっとこっち来て」と私の手を取って歩き出す。 それに僅かな不安を感じながらも藍についていくと、どこからか聞こえてくる波音。 「海⋯?」 そう言った瞬間、硬かったコンクリートから柔らかい砂へと、足の感覚が変わった。