午前2時の青春。【完】







「亜芽」



後ろから聞こえる私の名前を呼ぶ声はとても優しくて、ゆっくりと閉じた瞼からツー、と涙が零れ落ちた。



「らん⋯」

「亜芽、どうしたの?」

「⋯藍っ、」

「寒いでしょ、これ巻いて」



そう言って私の前に回った藍は私の顔を見ると一度動きを止めた。
けれどすぐに何事もなかった様に私の首にマフラーを巻いていく。



「ごめん、巻き方下手だね」



グルグル巻にされたマフラーはグチャッとしていて、「人に巻くの初めてだから」と困った様に話す藍に思わずふっと笑ってしまった。



アワアワとする藍が可笑しくて、巻かれたマフラーが何よりも温かくて。



沸騰していた頭が少しだけ冷めた気がした。