そう思ったら悲しくて寂しくて⋯やり場のない怒りが込み上げてきて⋯、
その時、視界の隅に映ったのは私と父を傍観する女。
この女のせいだ。家族が滅茶苦茶になったのも、私がこんなに辛いのも、ぜんぶぜんぶ、この女のせいだ。
「あんたが不倫なんてするから!」
「っ!」
「お父さんを奪って、お母さん傷つけて!」
「っ、」
「あんたのせいで家はぐちゃぐちゃになったんだよ!」
本当は、わかってる。
この人たちが正しいとも、私が間違ってるとも思わないけれど、私が今していることは何の意味もないことだと、本当はわかっているんだ。
こんな事今言ったところで時間が戻るわけではない。
父の不倫が先なのか、母の不倫が先なのか。
お互いに冷めた原因はどっちが作ったのか。
どちらにせよ、この女を責めたところで何も変わらない。



