立ち尽くす私に母はどんな言葉を掛けるんだろう。 母をじっと見つめる私に母が言った言葉は結局、私の心には響かなかった。 「亜芽、あなたの事は愛してるけれど、大切だけど、全てを捨てても一緒になりたい人がいるの」 「⋯」 「1からやり直したいの」 「⋯なんで⋯、」 「ごめんね」 そう言った母は私に背を向けて荷造りを再開させた。 5分、10分、30分、もう時間の感覚もなくて、気づいた時には母はキャリーケースとボストンバッグを両手に持って私の横を通り過ぎた。