「お待たせ⋯って何かあった?」 上着を羽織った藍は玄関に来るなり瞳を潤ませているお母様と私を見て首を傾げた。 そんな藍にお母様は「なんでもないよ。ほら早く送っていってあげなさい」と藍の背中を叩いた。 「それじゃあ、亜芽ちゃん。今日は楽しかったよ。ありがとね」 「いえっ!こちらこそ⋯本当にありがとうございました」 藍から借りた上着を着て、家の外まで見送ってくれたお母様にお礼を言い藍の家を後にする。 藍のお母様は私たちが角を曲がり見えなくなるまで、家の前で見送ってくれた。