「亜芽」
「なに⋯?」
「どうしてあんな所であんな状態でいたのか、聞いてもいい?」
「⋯っ」
「なんで?」
選択肢を与えている様で黙ることを許さない藍の瞳に私は思わず俯いた。
だって私は一体藍に、何と言えばいいの?
なんて⋯⋯。
俯いたまま1分、カチッと時を刻む時計の秒針の音が聞こえた。
「藍⋯」
言えない。言いたくない。
だって、経緯を話せば絶対に藍を傷つけてしまう。
藍の事を伏せて話しても、きっと藍は気づいてしまう。
人一倍傷ついて、抗って、それでもやっぱり傷ついて、それを繰り返してきた人だからこそ、きっと解ってしまう。



