口に入った土の苦味も、叩かれた頬の痛さも、踏みつけられた手の痛みも、引っ張られた髪の毛の痛みも、身体中を蹴られた痛みも、この人たちには何もわからないんだ。
本気でわかっていないんだ。
「あー、スッキリした~!」
「これでもう私たちの悪口なんて言えないでしょコイツ」
「そうだねぇ」
呑気に伸びをしたり笑ったりする3人をうつ伏せになったまま、顔だけを上げて見上げる。
「亜芽」
そんな私に気づいたサリナが私の名前を呼んだ。
「もうこんな目に会いたくなければ、大人しくしててね?あんまり調子に乗らないで」
⋯調子に乗る?私が?
いつ、そんな調子に乗った瞬間があったのよ。



