午前2時の青春。【完】











「亜芽」



夜、比較的早い時間に帰ってきた父に名前を呼ばれたと思えば父は珍しく母の作った餃子をレンジで温めていた。


今日は食べるんだ⋯。


そんな冷めた気持ちで父を見ていると疲れた様にネクタイを緩めた父がドサリとダイニングの椅子に座る。




「お前はもう食べたのか」

「うん」

「そうか」



父が母ではない女とホテルに行ったという証拠を見てしまってから、私の父に対する思いは少し前よりも違っていた。


前はただ嫌悪感しかなかったけれど、今は父が少し怖い。


母がいるのに、私がいるのに、違う全然知らない女とホテルに行き身体を重ねている父が怖い。

普通に家に帰って来て私と会話をする父が怖い。




母と男が歩いているところを見た事だってあるのに、母にだって父と同じように嫌悪感を感じているのにどうして父には恐怖を覚えるのか。



それはきっと、決定的だったからだ。



まるで父と知らない女の情事を目撃してしまった様な、そんな衝撃とトラウマをあの証拠は残したからだ。