「そうだね。ここは言ってみれば俺らの慰めの場所だから」
「⋯」
「でも、ここに来なくなれば幸せなのかってのは違うと思う。俺と亜芽が会わなくなればお互い幸せかって、俺はそう思わないかな」
「⋯」
「だって、この先傷ついたり悲しい思いをしたり、そういう感情を感じないで生きていくなんて無理だろ」
「⋯」
「嬉しいことも悲しいことも、絶対にこの先あるに決まってる」
「藍⋯」
「まぁ、ここに来る来ないは別にして、生きていれば嬉しいことも悲しいこともあるでしょ、普通に」
ふっと笑った藍の表情はとても穏やかで。
「もしかしたら亜芽の言う通りいつかはもっと強くなってこういう場所なんて必要としなくなれば良いのかもしれないけど⋯。でも俺は亜芽と会わなくなった方が良いのかななんて思った事ないよ」
「⋯藍、」
「亜芽と居ると凄く安心出来るんだ」
「⋯」
「ごめん⋯。気持ち悪いこと言った」
はっと口元を手の甲で隠した藍に私は慌てて首を横に振った。
そんなことない、と言うことを強く伝えたくて。



