「そこ邪魔なんだけど。どいてくれる?」
ドアの前に立つ私と3人に向かってそう言ったのは狩野だ。
「はあ?何なの狩野」
「ドアの前で邪魔って言ってるの」
トン、と軽くサリナの肩を押して教室に入ってきた狩野はいつもそうだ。
誰に対しても毅然とした態度で、私たちが山田との噂をしている時でさえ飄々としていた。
そんな狩野は他の人たちと違って今の私の状況を遠巻きに楽しむことも、からかい騒ぎ立てる事もしない。
何の関心も示さず、今までと何ら変わらない態度で居るのだ。
そんな狩野に何故か、私は憧れの様なものを感じた。



