グラウンドに面している保険室のドアを開ければ丁度保険医が空けているのか、シンと静まり返った保険室には誰もいなかった。
「消毒液消毒液⋯っと」
一度水道の水で細かな砂利と血を洗い流してから棚に置いてあった消毒液と綿とビンセットを手に取ってちょんちょん、と傷のところに綿を当てる。
「っ、いったぁ⋯」
傷に消毒液が滲みてビクリと体が跳ねて強ばる。
思ったよりも傷が深いのか、ジンジンと滲みていくそれに比例するようにキエたちへと怒りも大きくなっていく。
まさかこんなくだらない事するなんて。
こんな、イジメみたいな真似するなんて。
悲しみより強い怒りに、思わず消毒を染み込ませた綿を強く傷口に当ててしまいチッと舌打ちが零れた。



