「俺の噂ってよくない話ばかりでしょ」
僅かな沈黙の後、自嘲しながら呟く様に言葉を発した藍の瞳は相変わらず綺麗で。
綺麗で綺麗すぎて、儚かった。
「誰でも殴るとか、目が合っただけで絡まれるとか、大概そういう暴力系。あとは見た目かな。気持ち悪いって」
「⋯、」
「あと、小さい頃にからかわれたから暴力的になったとか、復讐してるとか、親の悪口とか。本当色々あるでしょ、俺の噂ってやつは」
「藍⋯、」
「もう色々噂されすぎて、嘘を否定するのも疲れて止めたけどね。本当のことも中には混じってるし」
「藍、」
「亜芽」
藍が私の目を真っ直ぐ見つめた。
「亜芽は俺の何が知りたい?」
「⋯」
「亜芽には全部答えてあげる。嘘偽りなく、全てを」
「藍⋯」
「亜芽に対しては疲れないから。偽りたくないから」



