「藍」
「どうしたの。亜芽?」
「藍と初めて会った時、藍は喧嘩してたよね。その光景を見て私は衝撃を受けて怖くて怖くて堪らなかった」
「⋯」
「藍のこと恐ろしい人だって思ったよ」
今でも思い出せる血の臭いと呻き声。
手についた血の生ぬるさ。
全てが恐ろしくて体がガクガク震えていた。
「藍に色々噂があること知った。同じ高校だってことも」
「⋯うん」
「ねぇ藍、私は藍のこともっと知りたいよ」
「⋯」
「友達があることない事私に言って、何が本当かわからないよ。だから私は藍の言葉で、藍のことを知りたい」
いきなりこんな事を言われて藍が戸惑っているのがわかった。
だけど私は、藍のことをもっともっと知りたい。
そう言いながら私は、本当はサリナたちの言っていたことを否定して欲しかったのかもしれない。
藍はサリナたちの言うような悪人ではないと、そう確信したかったのかもしれない。
こうして藍のことを聞こうとするのだって、藍のことを傷つけているのかもしれない。
知りたいなんて私の独りよがりかもしれない。
ただ、仲間が欲しかっただけなのかもしれない。



