ぐっと握りしめた手のひらはジトッとしていて、嗚呼、私、今、怖いんだ。緊張しているんだ。と思った。
「なんなの亜芽。ウザいよ?そういうの」
「サリナ、ウザくていいよ。だから藍の悪口言わないで」
「悪口っていうか事実だしぃ?マジ亜芽空気読めてないんですけどぉ」
「アヤカ、3人が話してるのは悪口以外の何物でもないよ。それにそれが事実だって、アヤカは言いきれるの?」
「亜芽そういうのいいから!マジウザい!萎える!」
「キエ、ウザくても萎えてもいい。でも、キエたちの楽しみの為に藍を傷つけないで」
それぞれの目をしっかり見ながらそう言えばチッと大きな舌打ちの音が響いた。
「マジウザい。てかキモイ、亜芽」
「⋯、」
「大体なんで亜芽にそんな事言われなくちゃいけないの?宮崎藍がヤバい人だって事は事実だし、私たちはそれを教えてあげただけ。違う?」
イライラしたように僅かに声を荒らげたサリナに首を横に振る。
「違うよサリナ。全然違う」
「はあ?」
「ヤバい人だって教えてくれようとしてくれた事に、サリナたちの優しさが無かったとは言えないけど、サリナたちは藍の話をすることを楽しんでいたでしょ?」
「っ!」
「ヤバいとか危険とか、どこまでが本当でどこからが嘘なのかわからない話を全て本当の様に、そして見下し軽蔑しながら話してた」
「っだから!?軽蔑したって当然じゃん。全てが嘘ってわけじゃないんだから!」
サリナのその言葉に、私は初めて藍に会った時のことを思い出した。



