火遊びにしてはあまりにも単線的だ。
ならば、本気の愛だとでも言うんだろうか。
身勝手で、浅はかなだけだというのに。
「亜芽、私ね好きなのよ」
「⋯」
「あの人のことが好きなの」
苦しそうに辛そうに、そして笑いながら母が言った言葉はあまりにも残酷だった。
「モノクロの日常の中で彼といると世界に色がつくの。楽しいの。幸せなの」
「⋯っあんな若い男、遊びかもしれないじゃん。いつかお母さんのこと捨てるかもしれないじゃんっ⋯」
「そうね」
「ならっ⋯、」
「でもね、私は彼を信じてるのよ」
柔らかく、綺麗に微笑んだ母は滑稽だ。



