「そういうのって誰にでもあるから」
「⋯」
「合わない恋人とか、合わない友達とか、そういうのってあって当然で、そこに息苦しさや葛藤を覚えることって何にも悪いことじゃないよ」
「⋯」
「そこで罪悪感を持って離れたり嫌気がさして自己防衛の為に離れたりするのだって何も悪くない。
でも人間関係って複雑で面倒だから、本音を言うと一気に崩れちゃうこともあるんだよね。
だからそれが怖くて何も見ないフリ。気づかないフリをすることだってある。
それが悪いってことでもない」
ふと空を見上げた藍の上には珍しく満点の星空が見えていた。
冬の澄んだ夜空はため息が出るほど綺麗で。
「軽蔑なんてするはずないよ」
優しく耳に響く藍の声はまるでどこかの神様の囁きの様だった。



