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「ただいまー」
19時ちょっと前、家に帰ってきた私は母親の姿を見てまたか、と小さくため息を吐いた。
「おかえりー。ちょっと私今から出掛けるからお夕飯は適当に食べてね。カレー作っておいたから」
そう言った母親はお化粧をして、歳より少し若い服に身を包んでいる。
「出掛けるって、今から?」
「そうなの。ちょっと野暮用でね」
「そう⋯。お父さんは?」
「さあ?仕事じゃない?じゃ、私そろそろ行くから戸締りだけは気をつけてね」
「わかった」
「いってきます」
マニキュアが塗られた爪を見せびらかすように手をヒラヒラと振り出て行った母にまたため息が出た。



