午前2時の青春。【完】






驚いて籃の方を見た私に籃は「冗談だよ」と笑う。


「これ以上外にいたらさすがに風邪引くし、今日はもう帰ろう」



確かにだんだん気温は下がってきて、籃のダウンを半分借りている状態では籃も寒いだろう。



「そうだね。今日はもう帰るね」

「ん、そうしよ」


「よいしょ」と言って立ち上がった籃に続いて私も立ち上がる。


「亜芽、これ着て帰って」

「え?」

「寒いでしょ?」

「い、いいよ!籃こそ寒いでしょ?」

「俺は大丈夫だから。着て行って」

「でも⋯」

「返さなくてもいいし」


そういう問題じゃないんだけど⋯。


「本当に。亜芽に風邪引かれたら引け目を感じちゃうから」


そんなこと言われたら断るのも難しいじゃないか。


「じゃ、じゃあ有難く借りてもいい?」

「どうぞ」


渡されたダウンは当たり前に大きくて、籃の香りに包まれて、胸がドキンと高鳴った。