それからどれくらい籃と過ごしていただろう。
会話はポツリポツリとしかしなかったけど、いつの間にか抜けていた敬語、すっかり冷えたスチール缶。とても有意義な時間を過ごしていたように思う。
「亜芽、もう2時になるけど」
「本当だ⋯」
籃に言われてスマホで時間を確認すれば後数分で2時を回るところだった。
もう1時間以上経っていたんだと時間の速さを感じるとともに何の連絡も入っていないことにチクリと胸が痛む。
放任主義といっても、夜中の2時になっても娘が返ってこなかったら心配して連絡の一つでも寄越してもいいのに。
それとももう部屋で寝てると思ってる?
どちらにせよ、父の関心は私にはないみたいだ。
「亜芽、帰る?」
「⋯、」
「それとも朝まで一緒にいる?」
「えっ」
籃の言葉に動きが一瞬止まる。



