「まだ下にいたのか」
リビングに入ってきた父に言われて時計を見れば時刻は夜の0時前。
確かにこの時間には自分の部屋にいることが多い。
「テレビ見てたの。お父さんこそ遅かったね?」
下衆い番組を視界から消す様にテレビの電源を切る。
「今日は仕事が立て込んでてな」
「そっか⋯。肉じゃがあるって」
「夕飯はもう済ませたから、朝また亜芽が食べなさい」
そう言ってネクタイを解きながら脱衣所へ行ってしまった父にため息を零しながら、ふと視界の隅に落ちているものに目を留める。
小さな紙のようなそれは今父が落としたものだうか。
重要なものでなければゴミ箱に捨てようとそれを拾い上げる。
「なにこれ⋯」
手が震えた。



