ペアを全員が組み終わるとまずはラリーをする様にと指示が出る。
数メートル間隔を空けて狩野とラリーを繰り返す。
「⋯」
「⋯」
「⋯」
周りは「ごめーん」とか、「強く打ちすぎ」とか、キャッキャッと楽しんでいるグループが多い中、私たちは無言。
それでも狩野はバドミントンが得意なのか運動神経が良いのか、私のところへ的確に打ち返しやすくシャトルを打ってくれる為、会話はなくともラリーは続いていた。
怠そう、とも違う無表情でシャトルを打つ狩野を見ながらこの人があの山田と本当に付き合っているのかなぁなんて考えてしまった私は下衆いのだろうか。