3時限目の体育は男女に別れて男子はサッカー、女子は体育館でバドミントンという内容だった。




「それじゃあ、今日のバドミントンは二人一組になってもらうので、ペアを組んでください」



体育教師の声に皆一斉にペアを組み始める。

ペアは自由に組んでいいらしいから、当然仲のいい人同士で組もうとなるわけで⋯⋯。



「あー、どうするか、亜芽。組む人いる?」


今日はアヤカが欠席だから私たちは三人。

当たり前のように私がハブられるらしい。

⋯ハブられるという言い方は良くないか。
元々キエ、アヤカ、サリナは仲が良かったわけだし、こういう時に余るが私なのは当然っちゃ当然だ。



「うーん、あ、狩野」


腕を絡ませてもうペアが出来上がっているぞと言わんばかりのキエとサリナから視線を外し周りを見てみればもうほとんどがペアを組み終わっていて、残っているのは山田と噂の狩野だけだった。


「うわっ、狩野かぁ、亜芽がんばれ~」


サリナの言う頑張れの意味はちょっと理解出来ないけれど曖昧に笑って狩野の方へと向かう。




「狩野」

「⋯」

「ペア、組んでもらってもいい?」

「いいけど⋯」



一人残っているというのに誰に声を掛けるでもない狩野は変わっているのかもしれない。

綺麗な顔立ちと、クールな性格。

そういう近寄り難いところが、友達の出来ない原因なんじゃないかと思う。余計なお世話だろうけど。