最後に気づけただけでも、感謝すべきかもしれない。

きっとこれもマコのおかげだと思う。

マコが背中を押してくれたから、最後の最後で大事なことに気づくことができた。

わたしは海斗くんをデートに誘うことにした。

これを最後のイベントとするつもりだった。

夏休みを利用したものだから、最初の数日しか遊ぶことはできない。

これはわたしのワガママでもある。

本来であれば、もっと早くに予言を政府に伝えるべきなのかもしれない。

でもわたしは最後に、海斗くんと普通の恋人としてデートをしてみたかった。

命が尽きるかどうかという恐怖は常に感じているけれど、それでもどうしても譲ることはできなかった。

「デートね。別に構わないけど」

終業式を終えたその日、わたしは帰り道の途中で海斗くんをデートに誘った。