「よくわかったね」

この能力について、わたしは誰にも打ち明けてはいない。

両親に軽く言ったけれど、はっきりと能力者だと明言したわけではないし、そもそも親が娘を国に売るような真似はしないはず。

碓井さんは本物の官僚であることは確か。

だってわたし力があることを知っていたんだから。

となると、答えはひとつしかない。

「だってマコ、あなた以外にはわたし、誰にもあのことは言ってないから」

わたしは翌日の放課後に、中学時代の友人である会沢真琴を呼び出した。

部活は仮病を使って休み、さっそく本人に問いただして見ると、マコはあっさりと認めた。

「ふーん、そうなんだ。てっきり橘くんには伝えてると思ったけど」

ここは近所の公園。

わたしたちはベンチ横並びに座っていた。