いや、それも現実的とはいえない。

犯人の自宅に爆弾があるとは限らないし、あったとしても操作方法なんて、わたしにわかるはずもない。

そもそも最初からこの計画は破綻していたのかもしれない。

わたしは爆弾を手に入れたかった。

でもそのあとのことはあまり考えてはいなかった。

どうやって爆弾を使うのか、そこまでの作戦はなかった。

「良いアイデアだと思ったんだけどな」

また壁にぶち当たってしまった。

もしかしたらこのループを終わらせる方法は自殺以外ないのかもしれない。

そのとき、何かの物音が聞こえた。

誰かが階段を上がってくる靴音だった。

わたしはとっさにロッカーの中に入った。

警備員にしろ犯人にしろ、ここにいるところを見られるわけにはいかないから。

わたしは息を止めて、その足音に耳を澄ます。

その足音はこちらへと近づいてきた。