翌日、わたしは夜中に家を抜け出し、街の中心部のほうへと向かった。

目的地は爆発が起こるはずの場所。

今日は水曜日だから、あの事件はあと三日後に起こることになる。

わたしはニュースなどを通じて、あの事件について細かいことも知っている。

あのビルは無人の廃ビル。

耐震性に問題があることがわかって、解体されるのを待っていた状況。

もともとは補強工事を行う予定ではあったけれど、管理をしていた会社が倒産してからはしばらく放置状態が続いていた。

犯人はそこを狙った。

数日前にはすでに爆弾をしかけていたという。

具体的な日時はわからないけれど、今日の時点で設置されている可能性も否定できない。

ビルのある通りは商業地ではあるけれど、飲食店などは少ないので夜は人通りが少なくなる。

周囲に明かりも少ないからこっそりビルに入るのは簡単で、実際にわたしも誰にとがめられることもなく中へと進入することができた。